大好きな人の囁きが聞こえる



俺とセイランさんとが付き合い始めて、2月が経とうとしている。

デートも重ねたし、キスもした。

けれど、それ以上に関係が進まない事に、俺は不安になっていた。

もしかして他に好きな人が出来たんじゃないか、とか。

思いはどんどん飛躍する。

相談するにも、出来なくて。

ようやくオリヴィエ様に相談する頃には、2月が経っていた。

『じゃあ、押し倒してみれば?』

真剣にいった俺に、オリヴィエ様はそんな言葉を口にした。

一瞬からかわれたのかと思った。

『攻めあるのみだよ。』

オリヴィエ様が笑いながら言った言葉。

その言葉にからかいの意味がないことに気付く。

そして、今。

その言葉を受けて、俺は学芸館までやってきた。

一つ息をついて、扉を叩く。

「はい。」

声が聞こえて、扉が開いた。

ドキドキと胸が高鳴る。

「あぁ、ランディ様。」

そういって、微笑むセイランさんの笑顔は、

他の人に見せるそれとは違って、皮肉の混じらないものだった。

ドキリと胸が高鳴って。

そこからどうなったのかは覚えていない。

気付いたらセイランさんの部屋に居て。

俺は、オリヴィエ様に言われたとおり、セイランさんをベッドへと押し倒していた。

ベッドに横たわるセイランさんの驚いたような顔。

そんなセイランさんに、俺は、セイランさんに触れるだけのキスをした。

セイランさんが一つ溜め息をつく。

「まったく・・・僕がどんな気持ちで我慢してたと・・・。」

ぼそりと呟いて。

俺がその言葉の意味を理解する前に、今度は、セイランさんからキスをしてくる。

俺のそれとは違う、深いキス。

舌で唇を突かれて、思わず口を開けると、セイランさんの舌が俺の口腔へ入ってきた。

そのまま、セイランさんの舌が、我が物顔で俺の口内を蹂躙する。

「ん・・・っ。」

力が抜けていくのが分かった。

セイランさんに重なるように倒れた俺は、気が付くとセイランさんの下に居た。

「今なら、まだ、やめれますよ?」

尋ねるセイランさんに、首を横に振って、背中に腕を回した。

セイランさんが苦笑する。

そのまま首筋にキスを落とされた。

セイランさんの長い指が、俺の服を剥ぎ取って、俺は、あっという間に全裸になった。

けれど、セイランさんの服はどこも乱れてなくて。

それが、俺の羞恥心を掻き立てる。

愛撫も性急に、最奥の窪みに、セイランさんの指が触れた。

しっとりと、何かで濡らされた指が中へと入ってくる。

ぴりりとした痛みが走った。

「っ・・・。」

何かが入ってきたことはわかった。

「痛いですか?」

思わず声を洩らした俺に、セイランさんが聞いてくる。

俺は首を必死に横へ振った。

『痛い』といえば、セイランさんがやめるような気がして。

だから、我慢した。

そんな俺に、セイランさんが苦笑を洩らす。

おそらく、俺の虚勢はバレバレだったのだろう。

けれど、セイランさんはそれ以上追及せずに、かわりに胸へと手を這わせた。

摘むように愛撫される。

「ぁ・・・。」

声が洩れる。

洩れた声は、自分のものとは思えないほど高いもので。

胸で感じている自分の恥ずかしさもあって、俺は紅くなった。

その間に指が抜かれ、かわりに俺のものを握る。

「あ・・・っ・・・ぁ・・・。」

胸の比ではない快感に、俺は背中を仰け反らせた。

親指で、先端を撫でられる。

くちゅりと、湿った音がして、俺は自分のものがすでに雫を漏らしていることを知った。

くすっと笑みをもらして、セイランさんは胸への愛撫を止め、、再び俺の中へと指を入れた。

今度は、痛みはなかった。

あったのは少しの異物感。

それさえも、俺のものへの愛撫で、すぐに気にならなくなる。

「は・・・ぁ・・・ん・・・。」

限界へと追い込まれていく。

限界が近いのがわかって、俺はセイランさんへと腕を伸ばした。

「きて・・・。」

セイランさんが驚くのが分かる。

自分でも驚くぐらい積極的だった。

それでもセイランさんは、俺の言うとおりにしてくれた。

セイランさんのものが、俺のそこへと押し当てられる。

そして、ゆっくりと入ってきた。

「っ・・・あぁ・・・ぁ・・・。」

指とは比べ物にならない異物感と痛み。

それに、生理的な涙が零れた。

セイランさんのものが、ゆっくりと俺の中を侵す。

「・・・あぁ・・・っ・・・。」

最奥までセイランさんのもので満たされた時、俺は背中を仰け反らせた。

痛みはあったけど、一つになっているという安心感のせいが、ひどく満ち足りていた。

そのまま、セイランさんが動き始める。

「あ・・・んっ・・・や・・・ぁ・・・ん・・・あぁ・・・っ・・・。」

声が引っ切り無しに洩れて、それに甘いものが混じり始める。

思考が、溶けていく・・・。

「セイ・・・ラ・・・ン・・・さ・・・。」

名前を呼ぶとさらに動きが激しくなった。

不思議な一体感を感じながら、俺は限界を迎えた。

愛してる、と、大好きな人の囁きが聞こえた。






如月柚香様のリク品です。
前回のリクとは逆なCPに驚きつつ、嬉々として打ってました。
初のラン受けです。(いえ、実はUPしてないだけなのですが・・・)
ランディ様の誘いうけ・・・という話だったのですが、どうでしょう?
誘いうけ・・・なんて素敵な響きvv(笑)
と思っていたのですが、打つのは案外難しく・・・。
最初は、お酒のノリで、とかも思ったのですが、それはまた今度に回す事にしました。
タイトルは、最後の文より引用。
こういうタイトルの付け方は、実は、憧れでした。(笑)
最後になりましたが、この話は如月柚香様に捧げます。
如月柚香様が気に入ってくださる事を祈りつつ。