白の世界
ゼフェルの事は嫌いじゃなかった。
むしろ、好きなほうだったのだと思う。
だから『好きだ』というゼフェルの言葉に素直に頷けたし、
嬉しいとさえ思いもした。
けれど。
「夜這いに来たぜ。」
そういってニヤっと笑ったゼフェルに、俺は思わず扉を閉めた。
場所は俺の館の、寝室前の廊下。
遊びに来ていたゼフェルは、今日はそのまま泊まる事になっていた。
けれど、部屋は別だったし、第一、『夜這い』を自分がかけられるとは思っていなかった。
露骨な言葉が頬に熱を持たす。
「おいっ、こらランディ!!」
扉の外で怒鳴っているゼフェル。
俺はその侵入を拒むように鍵をかけ、扉に背を預ける。
数分のざわめきの後、扉は静かになった。
帰ったのだろうか、と少し寂しく思う自分の矛盾に苦笑して、
俺は確かめる為に扉をそろりと開けた。
扉が開いた瞬間に差し込まれた足。
急いで扉を閉めようとしたときには、後の祭りだった。
するりとゼフェルが入ってくる。
そのまま、嬉々としてゼフェルが俺をベッドへ突き飛ばした。
「何するんだ!!」
言った俺に、ゼフェルの体が覆い被さってくる。
口付け。
思わず口を開いた俺の口内にゼフェルの舌が入ってくる。
「ん・・・っ・・・。」
こうなれば、ゼフェルの思う壺だった。
我が物顔で俺の口内を蹂躙するゼフェルの舌。
僅かだか確実に快感が目覚めていく。
ゼフェルの唇が離れても、俺の頭には靄のようなものがかかったままだった。
そのまま、くるりと後ろを向かされ、ズボンと下着を一度に剥ぎ取られた。
「ゼフェル・・・!」
ようやく靄が晴れた。
慌てて抵抗するが、ゼフェルはそんな俺の抵抗をものともせずに、そのまま奥の窪みへと
手を差し入れる。
入れられたゼフェルの手は、何かに濡れている。
そのまま、塗りこめるように抜き差しされた。
そこがぐちゅっと湿った音をたてる。
「・・・っあっ・・・く・・・っ・・・ふっ・・・んんっ・・・。」
何度かのその行為の後、指はするりと俺の中から出て行った。
ホッと一息つく。
「いきなり何するんだよ!!」
下半身裸という、情けない格好のままゼフェルに向き直り、抗議する。
「いきなりじゃなければいいのかよ?」
「ゼフェル!!」
意地悪く言ってくるゼフェルに赤面しつつ言い返し、俺はふいっと横を向いた。
そんな俺に、ニヤニヤとゼフェルは意地の悪い笑みを浮かべる。
「まぁ、今にわかるさ。」
言った言葉に疑問が湧く。
それが、先ほどの『何をするんだ』の答えだと気付くのに数瞬かかる。
「?それって・・・。」
どういう意味だ?と尋ねようとして、俺はゼフェルの言葉を身をもって知った。
体が熱を持ち始める。
「本当によく効くみてぇだな。」
俺を再び組み敷き、ゼフェルが俺の首筋を舐める。
そんな行為にさえ、快感が背筋を昇る。
そのまま、ゼフェルは無防備な俺のものを握った。
それは、もうすでに熱を持っていた。
軽い、触れるか触れないかの愛撫。
それにさえ、先走りの雫が漏れる。
「何・・・?」
自分の体じゃないみたいだった。
いつも以上に熱を持つ体。
それに不安を覚える。
「や・・・っ・・・。」
俺のものへ愛撫をしつつ、ゼフェルが服を脱がせていく。
気が付くと、俺は全裸になっていた。
俺のものに施される愛撫は、それでも絶えない。
「ぁ・・・ん・・・は・・・ぁ・・・あ・・・。」
甘い声が洩れる。
先をぐりぐりと押したり、そっと触れるか触れないかの愛撫をしたりと、
ゼフェルは俺を追い詰めていく。
愛撫が断たれたのは、限界を超えようという一瞬だった。
「・・・っ・・・。」
断たれた愛撫の変わりに、ゼフェルの指が俺の中へ入ってくる。
「もういけそうだな。」
ゼフェルの言葉は、けれど、俺の中で意味を成さない。
頭にはもう完全に靄がかかっていて、快感を追うことしか出来なくなっていた。
「ゼフェルぅ・・・。」
求めるかのように名を呼ぶと、ゼフェルの綺麗な笑顔が返ってくる。
先ほどまでの意地の悪いそれとは違う笑みに俺は何故か安心する。
次の瞬間、衝撃が体を襲った。
「・・・っ・・・や・・・あぁ・・・。」
意味もなく涙が流れた。
それが痛みのためなのか、それとも他の何かのためなのか、俺にはもう分からなかった。
ゼフェルが動き始める。
やがて、俺は痛みを忘れ、忘れた痛みは快感へすりかわる。
ぎちゅぎちゅと、繋がっている部分が音を立てていた。
望むように、けれど意味もなくゼフェルに手を伸ばすと、その手は握り返される。
そのあたたかさにほっとする。
もう片方の手が、俺の胸を偶然のように掠める。
「ああっ・・・あ・・・ぁ・・・っ・・・ん」
声は意味を成さない喘ぎと化す。
ゼフェルが俺の胸の突起を摘んだ。
「ゃ・・・あ・・・ん・・・っ・・・。」
耳を少し噛み、俺のものへと愛撫する。
「ゼ・・・フェル・・・。」
名前を呼ぶと、唇が重なった。
それに心が満たされるのを感じながら・・・。
俺は、白の世界へと放り出された。
初!ゼフェランですvv
いえ、実はあと2本ほどUPしてないゼフェランがあったりするのですが・・・。
片方は30題用ですが・・・。
まぁ、それはまた今度UPするとして・・・。
テーマは結構王道なエロ薬です。
実は、セイ×ラン版もあったりします。(笑)
私的には、最初の『夜這い』あたりのゼフェとランの問答が好きv(ぇ)
今回は、会話が多いなぁとか。
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