穏やかな時間(とき)



目が覚めると、隣に大好きな人が眠っていた。

僕も、その人…ティムカさんも裸で。

それに一人赤面しながらも、僕はティムカさんの寝顔をそっと見た。

気品さえ感じられる、その顔。

いつも穏やかな光を讃えているその瞳は、今は閉じられている。

僕は、息を押し殺して、ティムカさんに近づいた。

「メルさん?」

唇が触れる・・・と思った瞬間に、ティムカさんが目を開けた。

僕は慌ててティムカさんから離れようとする。

それが出来なかったのは、ティムカさんが僕の手を掴んだからだ。

「ティムカさん・・・!」

ぐいっと手を引っ張られて、うつ伏せの状態に押さえ込まれた。

「素敵な格好ですね。」

どこまで本気かわからない言葉をティムカさんが口にする。

その言葉に僕は赤面した。

だって、まるで潰されたカエルのようで、とても素敵とはいえない格好だと思ったから。

クスリっと、ティムカさんが笑みを洩らしたのが分かった。

そのまま、ティムカさんの手が僕の太ももを撫でる。

「ぁ・・・。」

敏感になった体は、そんな行為にも感じてしまう。

僕は思わず声を洩らしていた。

「・・・ゃ」

足や、突き出すようになっているお尻をくすぐるように撫でられる。

じわりとした快感が、僕の理性を蝕んでいく。

息が乱れて・・・僕は洩れそうになる声を必死に抑えた。

それでも声が洩れそうになって、シーツを噛み締めた。

ティムカさんが苦笑した気配が伝わってきた。

そのまま、僕のものへと手を這わしてくる。

自分でも抑える事の出来ない快感に、涙が出た。

「声を聞かせて下さい。」

言ったティムカさんに、僕は首を横に振った。

声を出せば、それは喘ぎになっただろう。

自分自身の声と信じられないそれを、ティムカさんに聞かせるのは恥ずかしかった。

自分自身が聞いても恥ずかしいのに・・・。

「っ・・・あ・・・。」

ティムカさんの手が、僕の胸元へと這ってきた。

胸だけでなく、上半身を余すことなく撫で、その後に、もう一度胸へと手が戻ってくる。

そっと触れる愛撫をされる。

胸をくすぐるかのように執拗に愛撫し、突起を軽く摘まれた。

「あん・・・っ・・・んっ・・・。」

満足げに、ティムカさんが笑みを浮かべた。

比例するように僕は紅くなる。

これ以上洩らさないようにと、僕は唇を噛み締めた。

息が乱れる。

乱れた吐息には、所々喘ぎが混じっていた。

「は・・・っ・・・ん・・・ぁ・・・。」

僕が必死に喘ぎを堪えていると、ティムカさんの手が僕の両足を掴み、大きく開かせた。

「やめ・・・っ・・・。」

抵抗しようとすると、僕のものをティムカさんが握った。

握られたそれは、もうすでに熱くなっていて。

やんわりと擦られると、あんなに我慢していた喘ぎ声が洩れる。

快感に体が支配される。

焦らすような愛撫に、思考が侵されていく・・・。

「もっと・・・。」

思わず洩れた言葉。

自分が自分でなくなるような、そんな感覚に苛まれながら、僕はティムカさんを求めた。

ティムカさんなら、救ってくれると思って・・・。

僕のものに触れていたティムカさんの手が、不意に後ろへと侵入してきた。

ぐりぐりと押し入ってくるそれに、けれど、痛みはない。

「ふ・・・っ・・・あ・・・。」

指がゆっくりと動くのがリアルに感じられる。

回したり、折り曲げたりしながら、僕の体を解きほぐしていく。

その動きに、僕の体から、更に快感が目覚めていく・・・。

「あ・・・はぁ・・・ん・・・。」

頬にティムカさんキスをした。

拭うようなそのキスに、僕は自分が泣いていると始めて知った。

そのまま、ティムカさんに体を貫かれた。

「ふ・・・はぁ・・・っっ。」

最初に感じたのは衝撃。

衝撃は、すぐに痛みへと姿を変えた。

そんな僕に構わず、ティムカさんが激しく動き始める。

「ん・・・っ・・・く・・・っ・・・。」

体がガクガクと揺さぶられる。

「ぅ・・・ぁ・・・。」

不意に、ティムカさんが僕のものへと手を回した。

強めの愛撫。

けれど、快感に再び火が付く。

濡れている先端にティムカさんが触れる。

「あぁ・・・やっ・・・ぁ・・・」

そこを緩めに擦られる。

僕はただ我武者羅に首を横に振る。

涙が、ただ訳もなく流れていく。

僕の耳にキスをして、ティムカさんがいっそう強く僕を貫いた。

「好きです、メル・・・」

さん付けではなく名前で呼ばれて。

僕はあっけなく限界へ達した。






如月柚香様よりのリクエストです。
いつも、素敵なリクエストを有難うございますvv
裏初書きのティムカとUnder初書きのメルのCP。
こんな感じでよかったのかとドキドキしております(汗)
リクエストはティムカ×メルのほのぼのUnderでした。
・・・ほのぼのでない気もしないでもありませんが・・・。
タイトルは『穏やかな時間』と書いて『おだやかなとき』と読みます。(くだらないこだわり・・・)
柚香様に貰っていただけると幸いですv