幸せのカタチ
きっかけは何気ないこと。
耳に入った少女の言葉。
『でも、…って幸せになれそうに無いよね〜』
『まぁ、ね…』
曖昧に、けれど同意する、隣の少女。
それはきっと、彼女たちにとって、何気ない日常。
けれど…。
ズキリと胸が痛んだ。
シアワセニナレナイ?
ランディの胸の中、言葉が渦巻いた。
「ゼフェル。」
名を呼んで、ランディは途方にくれた。
赤い瞳が自分を映す。
真っ直ぐなその瞳からツイと視線を逸らしすランディ。
(どうやって言おう?)
瞳を見ては、絶対に言えない。
それでも意を決してランディは言葉を口にした。
「別れよう。」
「あ?」
ゼフェルは呆けたような答えを返してくる。
突然かけられた言葉がどういう意味なのか、彼は計りかねていた。
「別れよう。」
聞こえなかったんだと思い、ランディはもう一度そう口にする。
自分で言ってるのに、ツキリと胸が痛んだ。
「それはアレか?別れ話ってヤツか?」
ようやく言葉はゼフェルに届いたらしい。
いつの間にか目の前にやってきたゼフェルに驚き、ランディは目を見開いた。
頷く事で返したランディは、それが精一杯だった。
「おいおい、この場で泣くのはオメーじゃねぇだろ?」
言われて、自分が泣いていたことにはじめて気づいた。
気づくともう止められない。
涙が次から次へとあふれていく。
やっぱり好きだ…
胸の中で呟きつつ、ランディは涙を流した。
背中にゼフェルの手が周されたのを感じて心が躍る。
別れなくちゃいけないのに…
ゼフェルの体温に縋りそうになる。
離れられなくなる…
「何があったんだ?」
瞳を見ながら言われたゼフェルの言葉に。
いつも以上の優しさを込められたその言葉に。
ランディは全てを吐露した。
昼間の少女たちの会話を。
男同士だから、幸せになれないというその言葉を。
「あのなぁ〜。」
ランディの話を聞いて、ゼフェルは呆れたようだった。
「?」
きょとんとして見返してくるランディに、今度こそ溜息をついて。
ゼフェルは少し笑った。
「あのな、ランディ。幸せか不幸かなんて誰が決めるんだ?」
聞かれて、ランディは思わず考えた。
誰だろう?
「俺は今、幸せだぜ?」
自信満々に答えるゼフェルに、すこし笑う。
次に何を言うか、ランディにはなんとなくわかった。
「幸せかどうかなんて、他人が決めるもんじゃねぇだろ。俺が幸せかどうかは俺が決める。」
ゼフェルらしい答え。
その答えにランディは救われて。
今度こそ本当に幸せそうな笑みを浮かべる。
「オメーは?」
尋ねられて、ランディは更に幸せそうに笑った。
少し不安そうな、ゼフェルの瞳。
愛しい人の傍に居れる、この現実。
「俺も幸せだよ。」
他人から不幸に見られようと。
二人は今、幸せだった。
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幸せか不幸か。
決めるのは、誰でもない自分達。
ソレが俺たちの幸せのカタチ。
久しぶりの更新です〜〜〜!そして、エロなし。
書けたら続き書こうとは思ってます。今度はエロで。(笑)
元ネタは何だったかな?確かニュース?
今思い出してみると、なぜこんな話になったのかは謎。(爆)
今回はフォントを小さくしてみました。
読みにくかったらフォントサイズを変えてくださいね〜。
(今さらだろう…)
(2004.3.11)
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