ともにある幸せ



薄暗い部屋に、リュミエールは居た。

目の前に居るのはこの部屋の主。

静かな時間が流れる。

時にささやかな声で会話を交わす。

そんな心地よい時間を、私は気に入っていた。

「リュミエール、お前は何故私などにかまう?」

不意の問い。

その言葉にリュミエールは視線を上げた。

クラヴィス様の顔は窓の外へと向けられていて、リュミエールからは見えない。

そして、その口調からも、何の感情もとれなかった。

ナゼ?

その答えはクラヴィス様もよく知っていると思っていた。

けれど、リュミエールにとっての心地よい時間は、

あるいはクラヴィスにとっては苦痛だったのかも知れない。

「お邪魔ですか?」

答えとは違う事が口から洩れる。

邪魔だとはっきり言ってくれれば、もう邪魔はしない。

それほどにクラヴィスをリュミエールは思っていた。

クラヴィスはようやくリュミエールと視線を合わすと首を横へと軽く振った。

「そうではない・・・ただ・・・。」

一瞬、間を取る。

「ただ、少し・・・迷った。私などがお前を捕らえてもよいのか。」

その言葉に、リュミエールは悲しげに笑う。

この人はすぐに『など』という言葉を使う。

「クラヴィス様が居なければ、今の私はありません。」

そう、少なくとも、リュミエールにとって、クラヴィスは『など』ではなかった。

その影響を受け、今の自分がある。

その事をクラヴィスに伝える。

「そうか・・・。」

穏やかにクラヴィスが微笑む。

穏やかな時は、いつまでも続く。






貴方とともにあるから、今の私が居る。
貴方とともに在れるから、少しだけ自分を好きになれる。
全ては貴方のおかげ。
だから、『なんて』と言わないで。
貴方は十分素敵なのだから。


クラリュミです。
UPし忘れた事に気付いて、急いでUP。
最初に書いたクラリュミは、自分で落ち込むほど暗かったので、
こういう形にしました。
なんとなく、表に似たような話が・・・。(汗)