意地悪な微笑み



体が熱を持っているのが自分でも分かった。

今日はせっかくの土の曜日で。

ランディにとって貴重な休日だった。

それなのに、ランディは今、ベッドの住人となる事を余儀なくされていた。

風邪をひいてしまった為である。

ひょうひょうとベッドの横に立ち、窓の外を見ているゼフェルをランディは睨んだ。

ゼフェルが視線に気付いたかのようにこちらを振り向く。

二人の視線が交わった。

「?どうかしたのか?」

「別に。」

ゼフェルの問いに対して、ランディの返答はそっけない。

その訳に気が付いて、ゼフェルは少し笑みを洩らした。

「よかったじゃねぇか、バカじゃないって証明できて。」

ランディの射抜くような視線をものともせず、慰めにもならないような事をゼフェルは言う。

「あっ、でも、『夏風邪はバカがひく』ともいうよな。」

「ゼフェルのせいだろう!!」

ニヤニヤと意地の悪い笑みを浮かべて続けたゼフェルのセリフが終わると同時に、

ランディは叫んだ。

実際、先に風邪を引いたのはゼフェルで。

ランディはその風邪をうつされたのだった。

「責任取れよ・・・。」

ぼそりと、言ってもしょうがないと分かりながらもランディは思わずその言葉を呟いた。

独り言のようなその言葉は、けれどゼフェルには届いたらしい。

ニヤリとゼフェルが笑った。

「わかった。責任とってやるよ。」

その笑みと言葉に何故か嫌な予感がして。

ランディは首を大きく横に振った。

「いい、いらない。」

「遠慮するなよ。」

遠慮なんかしてない、と言おうとしたが、ソレは声にならなかった。

あっというまに唇を奪われ、

ランディが驚いている隙にゼフェルはランディの上に圧し掛かった。

「何するんだ!?」

押し倒される形になったランディがは思わず叫んだ。

ソレに対するゼフェルの返答は淡々としたものだった。

「汗をかけば熱ってのは下がるもんなんだよ。」

もっともらしくそう言って、ゼフェルはランディの服を脱がせていく。

「やめ・・・!」

熱のためか思うように動かない体でランディは必死に抵抗して。

けれど、抵抗はあまり意味を成さなかった。



翌日、ランディの熱が下がっていた。






靄のかかった頭で、俺は必死に考える。
どうしてこんな風にになるのか。
いつもいつも流されて。
けれど、やっぱり許してしまうのは、俺がそう望んでいるから?
答えは、出そうにない。


如月柚香様よりのリクエストです。
リクエストは『ランディ様が倒れる』で、相手は私が選ばせて頂きましたv
長くなったので前後編(?)にした所、前編にはエロがなくなったので前編のみ裏へ。
・・・というより、Under版にはエロシーンしかありません。(爆)
タイトル付けに大変困りました。
そしてそして、柚香様、大変お待たせして申し訳ありません〜。(泣)
Underとセットで頂いてくださると嬉しいです。(礼)
最後になりましたが、この話は勝手に柚香様へと捧げさせて頂きます。
いつも素敵なリクエストを有難うございますvv
貰っていただけると幸いですv