朝霧の聖地
−前編−



朝霧がかかっていた。

早朝の聖地に、馬の蹄が鳴り響く。

乗っているのは二人の男。

オスカーとジュリアスである。

それぞれに、栗毛と白馬にまたがり、さっそうと丘を目指す。

「どう。」

オスカーの掛け声とともに、馬が止まる。

一瞬遅れて、ジュリアスも馬を止めた。

気付けば、目的の場所に着いていた。

颯爽と馬から降りた二人は、さながら、物語から出てきたかのようだった。

「相変わらず、美しいな。」

丘からは、聖地の主要な場所が一望できた。

宮殿、炎の館、王立研究院。

霧が一部を隠してしまってはいたけれど、その眺めは見事で。

ジュリアスは、一言を洩らした後、魅入っていた。

オスカーとこうして馬を並べるようになって、いったいどれほどの時がたっただろう?

聖地に召されたころは、まだほんの少年で。

それがいつしか、右腕と頼るようになっていた。

そして・・・。

そして、今。

ジュリアスは、オスカーなしでは生きていけないとそう思うほどに、彼を思っていた。

(私らしくもない。)

心の中で呟く。

らしくない・・・と本当に思う。

たとえば、クラヴィスにでもいえば、嫌味の一つでも言われるのだろう。

「寒くはないですか?」

不意に言葉をかけられ、ジュリアスは思考の狭間から現実へ戻ってきた。

一瞬遅れて、あぁ、と微笑みとともに返す。

確かに今日は少し肌寒い。

そんなジュリアスの思いを読むかのように、オスカーが自分のマントを取り、

羽織らせてくれる。

「オスカー?」

「風邪を召されては困りますから。」

言い訳のように言ったオスカーにもう一度笑みを浮かべる。

長い時をオスカーと供に過ごした。

守護聖の交代にも、女王試験にも供に立ち会った。

そして、そんな時を経て、自分は緩やかに、しかし確実に変わっていった。

穏やかに・・・。

後、どれだけこの時を過ごせるのだろう?

最後の時まで、オスカーは自分を愛してくれるだろうか?

不安は尽きない。

それでも、オスカーの笑みを見ると、そんな不安さえ消える。

きっと、この思いは杞憂に過ぎないと思える。

「オスカー、ありがとう。」

穏やかに言って、ジュリアスが再び聖地を見下ろすと、太陽が生まれる瞬間だった

不安が本当に杞憂に過ぎなかったとジュリアスが知るのは、まだもう少し先の話。






聖和様のキリリクですv
Special2のムービーを見たそうで。オスジュリの乗馬でしたvv
申告に来た時に、再びキリ番を踏んだ模様。(笑)
最近、裏の物にはなんとなく詩もどきをつけてます。(Under除く)
一応、全部についてるかな?
結構楽しい事に気付いたり。(笑)
でも、ここの詩を書いているときには少しヘコミました。(笑)
そんなに暗い詩じゃないのになぜだろう?
まだもう少し先の話って終わり方は、私が結構良く使う言い回しですv
・・・にしても、メジャーなCPがリクに多いため、リクだけで制覇しそうですねぇ。(笑)
残るはクラリュミとオスセイぐらいしか思いつかない・・・。
ちなみに私はクラジュリ派だったり。(笑)



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